あらすじ/作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。【内容紹介】 地球の温暖化に伴って異常気象が発生し、世界的に自然災害が多発するようになっている。わが国でも、豪雨の頻発化、災害の激甚化が顕著となり、年間100名を超える犠牲者が発生している。これまでの観測記録に基づいた防災・減災対策が適用できなくなっている現状を鑑みて、犠牲者を減らすために、住民の早期避難を促す工夫が行われてきた。例えば、洪水ハザードマップは想定最大規模の降雨を対象とし、キキクルをはじめとする自主避難を促す防災情報が創出され、インターネットを介して個人が防災気象情報を入手できる環境が整ってきた。これに伴って避難情報の変更が行われ、被災者に対してはより細やかな個人補償・支援が行われるように、災害対策基本法が改正されている。 本著は、防災に関わるハード対策とソフト施策(法制度)をバランスよくまとめた唯一の教科書であると自負している。2021年に避難情報が変更され、1961年以来使われていた避難勧告が廃止されたのを機に、初版出版時から変更されたソフト施策(法制度)を中心に、最新の内容に更新し、本著の改訂を行うこととした。本著が、大学の防災の授業のみならず、技術者、行政職員や一般市民の防災教育・啓発に広く活用され、実用に供することを切に希望する。【著者紹介】鈴木 猛康(すずき たけやす)山梨大学工学部土木環境工学科教授上石 勲(かみいし いさお)防災科学技術研究所雪氷防災研究センターセンター長橋本 隆雄(はしもと たかお)国士舘大学理工学部理工学科教授山本 吉道(やまもと よしみち)東海大学工学部土木工学科教授【目次】第1章 災害多発国-日本1.1 はじめに1.2 プレート活動と地震、火山活動1.3 日本列島と地質1.4 誘因と素因1.5 災害対策の4段階第2章 防災工学を学ぶための基礎知識2.1 はじめに2.2 地震学、地震工学の基礎知識2.3 災害に関わる気象の基礎知識2.4 地形学、地質学に関する基礎知識第3章 地震災害3.1 はじめに3.2 地震被害3.3 表層地盤と地震被害 福井地震3.4 1964年新潟地震と液状化3.5 地震動と緊急地震速報3.6 被害想定と地震防災3.7 地震対策(ハード対策)3.8 地震対策(ソフト施策)3.9 技術者の役割第4章 洪水害4.1 はじめに4.2 河川氾濫と地形4.3 氾濫4.4 堤防の設計の考え方4.5 避難の現状と水防対策4.6 過去の水害と法制度4.7 山地河川の災害(2017年九州北部豪雨災害)4.8 技術者の役割第5章 土砂災害・火山災害5.1 はじめに5.2 土砂災害の種類5.3 土砂災害防止法と警戒避難5.4 土砂災害警戒区域指定と警戒避難体制5.5 土砂災害警戒情報5.6 土砂災害の例5.7 土砂災害防止対策(ハード対策)の例5.8 火山災害5.9 技術者の役割第6章 雪害と減災6.1 過去の大雪災害と最近の雪害の傾向6.2 降雪6.3 積雪の性質と雪害6.4 雪害とその対策6.5 防災対策(ハード対策)と減災対策(ソフト対策)6.6 行政機関による災害対応の概要6.7 技術者の役割第7章 海岸災害7.1 海岸災害の事例7.2 高波災害7.3 高潮災害7.4 津波災害7.5 海岸法と海岸防災第8章 宅地防災8.1 はじめに8.2 宅地防災に関する法的基準8.3 宅地耐震設計8.4 宅地擁壁8.5 液状化8.6 大規模盛土8.7 注意すべき造成・開発8.8 技術者の役割第9章 ソフト防災対策9.1 はじめに9.2 災害情報9.3 法制度9.4 ICTと防災索引