建築振動を学ぶ―地震から免震・制震まで―
あらすじ/作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。【内容紹介】 本書は,建築振動を初めて学ぼうと考えている学生の皆さんや,もう一度初歩から勉強を始めようとしている建築構造にかかわる実務者の皆さんに向けて書かれたものである。建築の構造を勉強するなかで,建築振動を理解することは大変難しいという固定観念は根強く,道半ばで挫折した先輩たちが多くいる。その理由の1つとして,耐震や免震や制震についての専門書や解説書は世の中に多く出ている。しかし,建築振動論の基礎を学んで建物の揺れを理解し,耐震・免震・制震構造の原理と応用までを身につけたいと立志している初学者向けの書物が,建築構造の他の分野にくらべて少ないことが挙げられる。このようなことから,本書では,日頃の大学での授業の中で聞く学生たちの意見を反映させて,建築振動の基礎理論を丹念に説明することとした。そして,耐震・免震・制震構造や地震防災・減災にかかわる最新のトピックも含めて,できるだけわかりやすく記述するように心がけた。(「まえがき」より抜粋)【著者紹介】宮本 裕司(みやもと ゆうじ)(執筆者代表)福井工業大学工学部建築土木工学科主任教授、大阪大学名誉教授(2021年)永野 正行(ながの まさゆき)東京理科大学理工学部建築学科教授(2008年)藤谷 秀雄(ふじたに ひでお)神戸大学大学院工学研究科建築学専攻教授(2007年)吉村 智昭(よしむら ちあき)大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻・建築工学部門准教授(2012年)2014年逝去【目次】第1章 建築振動を学ぶ1.1 地震と建物被害1.2 建築振動と振動モデル第2章 地震による地盤と建物の揺れ2.1 地震による地盤の揺れ2.2 時刻歴波形の概念2.3 建物の応答第3章 1質点系モデルの振動3.1 建物のモデル化3.2 非減衰の振動方程式3.3 振動方程式を解く3.4 複素関数を用いた解法第4章 減衰を考慮した1質点系モデルの振動4.1 減衰とは4.2 減衰を考慮した1質点系の振動方程式4.3 振動方程式を解く4.4 減衰定数と振動形状4.5 減衰振動の固有円振動数,固有振動数,固有周期4.6 初期条件を与えた振動4.7 減衰定数の効果4.8 減衰による振幅の減少率第5章 1質点系モデルの地震応答5.1 入力地震動5.2 地震応答時の運動方程式5.3 直接積分法による応答計算5.4 地震動が入力した時の応答特性5.5 応答スペクトル第6章 1質点系モデルの調和地動入力時の応答6.1 調和地動6.2 調和地動入力時の建物応答6.3 調和地動入力時の過渡応答と最大応答値第7章 1質点系モデルの周波数応答解析7.1 調和振動7.2 複素表現による建物の地震応答と伝達関数7.3 伝達関数とその特徴7.4 フーリエ変換とフーリエスペクトル7.5 周波数応答解析第8章 多質点系モデルの振動8.1 2質点系8.2 多質点系8.3 ねじれ振動第9章 免震構造・制震構造9.1 振動制御構造の考え方9.2 免震構造9.3 制震構造第10章 地盤と建物の相互作用と連成応答10.1 地盤と建物の相互作用とは10.2 スウェイ・ロッキングモデル10.3 地盤ばねと地盤減衰10.4 2層地盤の地盤ばね10.5 地盤の影響を考慮した運動方程式10.6 地盤の影響による建物の動特性の変化10.7 地盤との相互作用が建物応答に与える影響第11章 地震動の地盤増幅11.1 必要となる地盤物性と地盤調査11.2 地盤の運動方程式11.3 波動を表現する式11.4 地表面での波動の反射11.5 地層境界での波動の透過と反射11.6 2層地盤の地震波の増幅11.7 地盤増幅特性第12章 建築振動と地震防災・減災12.1 2つの大震災と防災・減災12.2 地震被害想定12.3 地盤の揺れと建物被害12.4 長周期地震動と超高層の揺れ